焦げたお餅

石油ストーブが活躍する時期、やかんでお湯を沸かして加湿する もよし、煮込みなど料理をするもよし、ストーブは大変重宝する一 品だ。エコだかクリーンだか知らないがエアコンやヒーターといっ た火を使わない暖房機器では充分に部屋が暖まらず風邪を引きかね ない。やはりガンガン燃える火を眺め、近くで身体を炙ると心身と もにポカポカになし、冬の体調維持に欠かせない。

それは愛犬たちも同じでストーブの前で寝ている姿もよく目にす る。酷寒の最中、愛宕神社や室見河川敷で運動した後、ストーブに あたると気持ち良さそうだ。夜の寝る前の一時も家内に抱かれ火の 前にいると極楽を思わせる。

冬に暖をとると言えばストーブの上で焼いた餅が美味しい。砂糖 醤油もいいし、チーズをはさみ海苔で巻いて食すのもいい。旬の一 品として焼いている時に加減を見つめているだけで幸福を感じるの は多くの日本人なら当然のことである。ところが、焼いた餅に興奮 するのは人間だけではないのが不思議なもの。苺ちゃんも健ちゃん も大好きだ。

網も準備してストーブの上に据え付け、更にその上にお餅の乗せ ると、一緒になって焼けるのを待っている。こんがり焦げて香ばし い匂いがすると食欲がそそられる。まだ焼けないの?と哀願するよ うな視線を向けられながら両面マンべっんなく焼けるように細心の注意を払いながら、時々さい箸でひっくり返し程良い焦げ目を付け る。

焼け上がると厳しい競い合いの時間を迎える。苺ちゃんも健ちゃ んも一口ちょうだいとしきりにおねだりを始める。それも、焦げて パリっと歯ごたえがいい、一番美味しい箇所が好みだ。ケチって柔 らかい所をあげようにも歯にくっついてしまうので虫歯対策に堅い 所を与えざる得ない。まったく可愛い愛犬たちと言えども恨めしい。 まともに焼いた餅一個すべてを食べた記憶がここ最近はない。大体、 餅をくれー!という迫力に負けてお裾分けせざる得ない。パリパリ と音をたて苺ちゃんも健ちゃんも満足そうだ。

もちろん一口で満たされるわけはなく、次々に焦げた所が与えて 自分はなんだか不足を感じから冬のおやつを終えることになる。最 近では焼きおにぎりでなんとか誤魔化せないかと試みたが健ちゃん はなんとかなっても、さすが女の子、苺ちゃんは騙せない。

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