朝カフェ道中妻悪行三昧

令和3年7月20日(火)いつも通り朝5時前には仕事開始。今朝はここ数日取り組んでいる都市計画法の熟読を念入りに行った後、もうすぐ法人税の申告書作成を始めなくてはならないと 会計経理関係の書籍にも目を通す。約3時間程度過ぎた8時頃になると、活字を読みづつけて疲た身体に更に活を入れようと、筑前琵琶の弾き語りのお稽古ににも余念がない。

普段通り朝は活発に活動。実際に懐に現金が湧くわけではないが、早起きは三文の徳。元々一文は一日当たりの働き代なので現在価値に換算すると大体3万円なり。少しでも善行に努め、昨今の厳しい経済社会情勢に対峙しなくてはと、ある意味、攻めの姿勢で充実感を味わう。とは言え50歳代も半ばの中年だけあって出社の準備に取り掛かる時間はもうヘトヘトで朦朧としながら身支度を整える。

「朝ご飯、今朝はシアトルでパンね!」まあ、夏の暑い朝に地下鉄で立ち通しで博多駅まで通勤するより、妻の運転でゆったり身体を休め会社での仕事に備えた方が賢明かと、自宅での味噌汁とご飯に拘らずお腹を満たすもの悪くない。しかも車中では音楽を聴きながら、家事の相談や子供たちの近況を話しそれほど無意味な時間でもないので、仕事や妻の都合が合えば博多駅の会社近くにシアトルベストカフェで朝食を取ることも度々だ。

日差しが強い中、出発。近所の公民館解体工事がもうすぐ終わると瓦礫の撤去もほぼ終わりそうな工事現場を横目に愛宕インターへ向かう。しかし何と事故による通行止め。仕方がないと昭和通りにUターンし一般道路を東に進路を取る。まあ都市高速が通行止めあって結構な渋滞をノロノロと車を進めるが時間が少々もったいない。

「毎日の夕方の課題、琵琶の歌の練習をこの車の中でやっちゃえば?」つい先ほど弾き語りのお稽古をしたばかりだけど、今夕はランニングだけに集中できるので、帰宅してからの時間に余裕が出来ると、妻のたまたまの良い提案を採用。最近ハマっているテンポがいいYOASOBIの曲を停止して筑前琵琶のお手本音源が車のスピーカーから流れ出す。

課題曲は6月中旬から取り組んでいる「五条橋」。牛若丸と弁慶が初めて出逢う有名なシーンを琵琶の音色に合わせた弾き語りで、毎日の朝夕の練習は怠らない。前奏に続き「奢る平家を西海(壇ノ浦)の海の藻屑となして…」と独特な節回しを口、のど、身体に染み込めせようと音源に合わせて歌い始めたその時…「ブっー!」…大音量で妻が鼻を噛む音が鳴り響く!一度だけならまだしも「(弁慶)五条の橋の上、人や来ると待ち受けたり…」「ぶっー!ブッ〜!」。「いざ尋常に(太刀を)渡して行くべしと(牛若丸を)睨んで立ったりける…」独特の抑揚と音程の高低に細心の注意を払いながら慎重に歌っているのに「ぶっー!ブっ〜!くちゃくちゃ…!」度重なるお歌の練習妨害に眉をひそめ「あーっ。スッキリした!」との緊張感が無い妻の台詞にめげず、約16分もの「五条橋」の練習を何とかやり遂げた。しかも歌っている最中、信号停止をする事もあるが、何と、その間にLINE返信を打とうとする妻の暴挙を右手で遮り安全運転、交通違反にも注意を払う。

筑前琵琶のお歌の練習が終わっても、まだホテルオークラ付近で博多駅までは到着しそうにない。少々、妻と会話をするが、何せ25年も一緒に生活していると普段の苦情を言われる事も数知れず。
「昨夕、ランニングの後の健ちゃん(愛犬)の足拭き…私に丸投げに任せっきりで…トイレもぐちゃぐちゃで…」
「そんな事言ってもランニング中に災難にあって焦っていたから…」と昨日の素行と出来事を振り返る。

自宅から小田部の中村家具まで川沿い片道約2キロのランニングコース。夏の健康造りのため昨夕は走る事にした。夕立の後だったので、気化熱で少しは暑さも和らいでいるかなと意気揚々と健ちゃんを連れて走り始める。高い湿度もあって走り始めの序盤から汗が流れハンカチもあっという間に両面湿ってしまうが、足は快調に走りを進め気温も少し低めのせいか呼吸もさほど乱れず2キロの折り返しまでは難なく足が進んだ。しかし、身体から排出される汗の量が半端ない。まるで風呂の栓でも抜いたように身体から水が滴っていく。まあ、これは帰宅してからのビールが旨いぞっと今夜の晩酌に期待をしていると、何だか下腹部に違和感を覚え出した。リアルに身体の底の栓が抜けて、水分ばかりでなく固形物まで排出しそう!…しかも、ここは折り返し2キロ地点。自宅まで丸々2キロの帰路をどうしよう…。

ランニングの疲れに加え様々な事が思い浮かび消えていく…残り1キロ地点、3キロは走破したい…振動で飛び出たらどうしよう…そっと歩くか?…歩けば30分。とても耐えられない…急げ100メートルだけ全力疾走…ダメだ!出る〜!…健ちゃん、急に立ち止まるな!犬の性分とは分かっていても今はマーキング辞めて!〜…何とか残り1キロ時点の3キロは走破!しかしまだ家は遠い。張り切って肩を揺らし軽やかな足取りで家を出たのに…残り1キロ位から内股で“しなしな“とまるで芸者さんのようにそっと歩く。少し治った〜っと思うと全力で走る、でもまた危ないと、足を止めお尻の両脇の肉に力を入れる。そして、また危機が迫るとしなしなと内股で歩く…幾度となく繰り返しす滑稽な走り姿。でも周囲が見ていようが見ていまいが関係ない。必死に自宅のトイレを目指し気持ちだけ急いで歩みを進める…間に合う!…ダメだ!…汗は流れてもそれだけは出してはイカン!…そこを右に曲がったら、あと100メートル程度…もう一息!…家の鍵が掛かってない事を祈る…鍵穴に鍵を刺す行為すら今の自分には無理難題…やった玄関は開いてる!速攻トイレへ!…セーフ!気がつくと健ちゃんの足は妻に吹いてもらい、便座は汗の雫でべっとり濡らしていた…お母さん、すんまっせん!

自分としてはランニング中の辛さと、トイレに間に合ってから何かと負担をかけて申し訳ないとの贖罪の意識があるだけに、腹を抱えて笑う妻の姿が痛くて辛い。しかし、朝カフェ道中では妻、お構いなしの大爆笑!特に“芸者のようにしなしなと内股で…“の所がツボを突いたようで車を止めカフェに向かうまでの大喜び。

今朝の妻の悪行は酷い!ハイテンションで危ない!カフェでの朝食の払いを現金でと思ったが止めた。万札しかないので、悪行三昧、無法者の妻には9千円ほどのお釣りを奪れる危険性が大きいと察知、PayPayの残高を確認して安心した。

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